【遺言執行者の実務】処分清算型遺贈

司法書士会のセミナーに参加してきました。

今回は【遺言執行者の実務】のなかでも、比較的やっかいな処分清算型遺贈。

 

事例

法定相続人が遺留分のない兄弟姉妹のみ。

遺言者は不動産を含むいっさいの財産を換価換金し負債を支払った残りの全額を福祉関係の法人に遺贈するという内容のもの。

 

ポイント

・【法定相続人への配慮】

法定相続人である兄弟姉妹はまったく相続できないので不満が出るでしょう。怒るかもしれませんし、とてもナイーブな手続きになります。

通知や報告については、相続人の請求がなくてもマメにするべきでしょう。

・【包括遺贈か特定遺贈か】

包括遺贈の場合、負債があれば負債も承継するので受遺者にとって負債の有無は大きな関心ごと。

・【登記上の問題点】

不動産を換価するために不動産を売却します。その際には売買契約・登記申請人は誰なのか、相続登記との連件申請によらなければならないのかどうか(相続と売買が年をまたぐ場合は要注意)など注意が必要です。

・【税務上の問題点】

受遺者が個人の場合は所得税を申告し、法人の場合は法人税の申告の検討が必要です。

また特に注意が必要なのは法定相続人のほうです。

不動産を売買する前提として相続登記を経由しなければならないという先例があるので、相続登記をするのですが、登記簿上法定相続人に名義が移る形になってしまいます。

法定相続人にはいっさいお金が入らないのであり、(支払う必要のない)所得税、譲渡所得税の関係では税理士と協力し、税務署との打合せも必要でしょう。

 


 

 

手続きが煩雑ですが、受遺者側が、不動産の遺贈を受け付けない場合は処分清算型にする必要が出てきます。

これから増えるかもしれません。